3次元透視変換とは, 3次元空間内に置かれた3次元図形を任意の視点から眺め
て2次元平面に投影する変換で, 遠近感が出る変換です. 3次元グラフィクスを
うまく使うと, これまでに見てこなかった新しい表現法が可能となります.
まず, 3次元空間内で三軸に平行に置かれた立方体の表面に, 2次元の作図をし
てみましょう(map3d4.f). 作画する2次元平面をちゃんと指定すれば, これま
での描画メソッド(元サブルーチン)がそのまま使えます.
また, GRPH2 のパッケージもそのまま使えます. map3d5.f のプログラムでは,
第10.3節で描いた等高線とベクトル場を2段重ねにして表現してみ
ました.
さらに, 3次元空間内で線を引いたり, 面を定義してトーンをつけたりするこ
とも可能です. map3d6.f の図は, これまで何度も描いてきた球面調和メソッド(元関数)を
ワイヤフレームで表現するものです. この2次元スカラー場を図示するのに,
縦横に張ったワイヤの凹凸として3次元的に表現しています. データの値の大
小がワイヤを張った面の高低となって, 視覚的にデータを把握しやすくなりま
す.