前節で紹介した uulin ルーチンのかわりに uumrk を用いると,
データ列をマーカー列で表現でき, いわゆる分布図が描けます. 次のプログラ
ム step2 では, 乱数列をもとに (X,Y) のデータをつくり, 分布
図を描きます. 8行めと10行めのメソッド(元関数) return_value = NumRu::DCL.rngu3(iseed) は, DCLの中の「そ
の他の基本メソッド(元関数)パッケージ」にある, 一様乱数を生成するメソッド(元関数)のひとつです.
このように, DCLにはグラフィクス以外にもさまざまなパッケージが用意され
ていることを心に留めておいて下さい. usspnt でデータの範囲を求め,
uspfit と grstrf で正規化変換を確定し, usdaxs で座標
軸を描き, uumrk を使ってマーカー列を描いています.
ところで, マーカーには, マーカーの種類, 描く線の太さ, マーカーの大きさ
の3つの属性があります. uusmkt, uusmki, uusmks の各サ
ブルーチンでこれらの属性を変更できます. これらを呼んで思い通りのマーカー
が選べたら, uumrk ルーチンでマーカー列を描くことになります. また,
同様に「上意下達型」のルーチン uumrkz もあります.
このプログラム例では, 太い線で初期値の1.5倍の大きさのマーカーを選び, マーカーの種類は, 最初の25個を初期値の '.' で, 次からの25個ずつ をそれぞれ,' +', '*', '。' で描いています.
n (整数型) データ数. x, y (実数型) マーカーを打つ点の(x,y)座標値 を与える配列.
itype (整数型) マーカーの種類. 1: '.', 2:'+', 3:'*', 4:'。', など, フォントテーブル(付録)のDCL文字番号に 対応する文字・記号を描く. (初期値は1)
index (整数型) マーカーを描く線の太さ. 1から順に太くなる. (初期値は1)
rsize (実数型) マーカーの大きさ. V-座標系での値で与える. (初期値は0.01)
パラメータは上と同じ.
ここで, マーカーの大きさで出てきた「V-座標系」について説明しておきましょ う. 実際に作画できる領域は出力装置によって異なりますが, DCLではそれらに 最大内接する正方形を考えて, 「描画領域」とします. この1辺の長さが1にな るように規格化した [0,1]×[0,1] の座標系をV-座標系と呼びます.
# step2.rb require "narray" require "numru/dcl" include NumRu include Math nmax = 100 x = NArray.sfloat(nmax) y = NArray.sfloat( nmax) #-- data ---- iseed = 0 x[0] = 2*(rand(iseed)-0.5) y[nmax-1] = x[0] for i in 1..nmax-1 x[i] = 2*(rand(iseed)-0.5) y[i-1] = x[i] end #-- graph ---- iws = (ARGV[0] || (puts ' WORKSTATION ID (I) ? ;'; DCL::sgpwsn; gets)).to_i DCL::gropn iws DCL::grfrm DCL::usspnt(x, y) DCL::uspfit DCL::grstrf DCL::ussttl( 'X-TITLE', 'x-unit', 'Y-TITLE', 'y-unit' ) DCL::usdaxs cnt = nmax/4 st = 0 ed = cnt-1 DCL::uusmki(5) DCL::uusmks(0.015) DCL::uumrk(x[st..ed], y[st..ed]) st += cnt ed += cnt DCL::uusmkt(2) DCL::uumrk(x[st..ed], y[st..ed]) st += cnt ed += cnt DCL::uusmkt(3) DCL::uumrk(x[st..ed], y[st..ed]) st += cnt ed += cnt DCL::uusmkt(4) DCL::uumrk(x[st..ed], y[st..ed]) DCL::grclsprogram step2